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Voice

​卒業生の声

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荒岡信孝 (企画1期最年長卒業生)
不動産関係の仕事をしていて、アートとは無関係でしたが、何となくチカホでフライヤーを見て即入学し、そこでいろいろな気づき、刺激、楽しさを感じました。卒業企画が「アートを使ったシニアの社会貢献」で、その後アーティストの方たちの協力で築60年の古い倉庫で、シェアアトリエをすることとなりました。(なえぼのアートスタジオ) 現在は、アートをシニアの方たちに少しずつ広める活動をしています。
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荒井純一 (企画3期卒業生)
シンクスクールに入って、自分の中にな い知識について考えたり創造したり 社会 人になってから仕事とスクールの両立は 新鮮でした。 自主的に学ぶことで身に付 くスピードも早かったです。卒業後はス クールで出会った人脈、知識は財産となり、 後期の卒業企画であるアートプロジェクトは、2021 年実施、2022年も実施に向けて活動しています。

卒業生の活躍

シンクスクール卒業生は、デザイナーや落語家になるための上京、海外のアートスクールヘの入学、一般社団法人PROJECTAや札幌駅前通まちづくり会社への就職、札幌市内のまちづくり会社でのアルバイトなど様々な変化や飛躍をしています。また、第1期修了生の荒岡信孝さんが、シンクスクール講師に物件紹介したことをきっかけに、アーティストが中心になって運営する集合アトリエ「なえぼのアートスタジオ」が誕生しました。今では、札幌のオルタナティブアートシーンの重要な拠点の1つとなっています。
札幌市苗穂・なえぼのアートスタジオ
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岩﨑麗奈 (制作1期・2期卒業生)
受講をきっかけに、作品制作に本格的に取り組みたいという気持ちが芽生え今に至っています。 修了後、同期受講をしていた企画コースの荒井さんが中心となり立ち上げた 「室蘭アートプロジェクト」では参加作家の一人として、作品の展示をしました。 一人で作品を「つくる」だけではなく、一緒にまちを「つくる」ことについても 考えを巡らせることができたのは、企画・制作が異なりながらも緩やかに繋がった 時間の集積があったからだと思っています。
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和島ひかり (企画3期/制作2期・3期卒業生)
シンクスクールに入ってからは課題制作時に限らずどんなことに対しても ”私が本当に思っていることは? ” という問いをもつようになり、考えるほどさらに生まれてくる問いに苦しみつつも、新たな発見やその問いを共に考えてくれる仲間との繋がりに喜びを感じました。
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渡辺ひろみ (企画2期卒業生)
好きなだけではアートの楽しさを伝えるのは難しい。好きを一緒に楽しめる人を増やせるようになりたいと、受講しました。卒業後はアイヌ語教室の主催など活動の幅も広がりました。また、シンクでできた仲間も多く、シンクスクール編集部の活動などを通しいろいろな場で繋がりができるのが楽しいです。
テラス計画・アイヌ語講座のようす
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加藤慶子 (企画2期卒業生)
転勤で来ただけの札幌が…たくさんの刺激をくれる方々との出会い、まさかの企画実現!シンクのおかげで、いろいろなことがてんこ盛りでした。また、さまざまな方との対話や議論がきっかけとなり、自分の「当たり前」を問い直すことになりました。札幌を離れた今も、編集部などを通じてまだまだ関わっていきたいです。
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土橋ゆりな(企画4期卒業生)
アートもまちづくりも全くの無知でしたが、受け身で過ごす毎日の窮屈さを変えられる気がして入学しました。その直感は正しく、刺激的な授業・個性的な仲間・自分自身の成長を得ることができました。シンクで学んだ「どうすればもっと面白くなる?」思考は卒業後も役に立ち、毎日を楽しくさせてくれます。現在は自分で考えた企画を実行中です!
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大西涼子 (制作3期卒業生)
シンクスクールに入る前より自分の興味、やりたいことと向き合う時間が増えて、たくさん悩みながらより良い作品を作りたい気持ちが大きくなりました。 シンクスクールで過ごした 1 年が、大学卒業後の進路を決めるきっかけとなり大学院に進学することになりました。
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羽生朋代(企画4期卒業生)
転職で札幌に引っ越し、面白そうなことを探していた時に、チカホで見かけたアートとまちづくりのキーワードに惹かれ入学しました。これまで学んだことのなかった領域で、新たな刺激や出会いを得て視野が広がったように思います。卒業後、まちづくりにもっと関わってみたいと思い、まちづくりに取り組む会社に転職しました。
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田口虹太 (制作3期・4期卒業生)
アートの知識が皆無でなんとなく入学しましたが、そんな私でも対等に話ができる環境だったことが私とアートの出会いとしてとても良かったと振り返ります。卒業後は、「アート通して出会った人々とつながり続ける何かが欲しい」と一般社団法人PROJECTAにアートコーディネーターとして勤務し、同じシンク生と共同スタジオ「0地点」を創設しました。

インタビュー|シンクスクールスクールってどんな学校?

まちづくりと現代アートを学ぶシンクスクールは、どのような考えのもとに生まれたのか?シンクスクールを主催する札幌駅前通

まちづくり株式会社 今村育子にインタビューをしました。

―今村さんはご自身がアーティストで、札幌駅前通まちづくり会社で働かれていますが、どうしてシンクスクールを始めようと思ったのか聞かせてください。

 

今村:2011年の5月からまちづくり会社で働くことになって、ちょっとずつ企画をやらせてもらえるようになっていきました。でも、企画は一人ではできないし、一緒にまちをおもしろくしてくれる仲間を見つけたい!というモチベーションから「スクールをやろう」と思いました。

―まちづくりとアートという2つの視点でシンクスクールを始めたのはどうしてでしょうか。

今村:シンクスクールが大切にしていることは、アートの多様性と寛容性です。アートっていったときに、絵画や彫刻、子供が粘土をこねていたり、現代アートなどいろいろなものを想像すると思うのです。アートのイメージは曖昧で、実は、まちづくりもそんなに形がなくて、なんだかはっきりしない。

―アートとまちづくりにはそういう共通点があるんですね。

今村:私は、はっきりしていないからこそ、みんなで考えて、新しいものを作っていける可能性があると信じています。

―シンクスクールは、プレゼンや展示、ディスカッションなど、アウトプットの場がたくさんあって、言葉にする機会があるのがいいなと思いました。

 

今村:言語化って私も苦手なのですが、話せないと伝わらないからなんとかしたい。だから、学びの場で練習していくことが重要だと思いカリキュラムを組んでいます。

 

 

―シンクスクールの講師の方も生徒も本当にいろんな人がいて、同じ問題でもアプローチの仕方はさまざまですよね。

 

今村:講師の方もみんな違っていて。アーティストやプランナー、キュレーター、コーディネーターやディレクターなど、本当に沢山の職種や手法があるので、シンクスクールの1年間で自分がどの役割、どの表現方法が向いているかを見極めてほしい。

 

 

―シンクスクールは、自分を見つめ直す時間という一面もあるんですね。

 

今村:例えば会社でプロジェクトをやるときに「あの時のワークショップをやってみるか」とか、自分の子どものために一緒にやってみるなど、自分の仕事や生活に学んだことを持ち込む。まずはそこからと考えています。

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―全国のまちづくりやアートの第一線で活躍する方々に講師として来てもらっていますが、直に話を聞けたりアドバイスをもらえたりするのは、地方都市の札幌では特に貴重な機会だと思います。

 

今村:東京じゃないとアートやまちづくりを勉強できない、知ることができないのは違うと思っていて。いくつになってもどこにいても人生の中で勉強したいなあと思う時ってありますよね。でも職場や家庭に固定されて、なかなか動けない人もいる。みんな色んな理由で札幌、北海道、それぞれの場にいると思うのです。「じゃあ今から勉強したいけど、どこにいったらいいの?」という北海道で暮らす人たちに、「このスクール届けーっ」と思っています。

 

 

―1年間、いろいろな人に会い、いろいろな話を聞けば、変化していきますよね。

 

今村:私がシンクスクールですごく良いなと思っていることは、スクール生がみんなで「なんでもないことを話している」ことなんです。2017年度から企画コースの個人課題は「クリエイティブの力で社会や自分の問題に取り組むプランを考える」なんですが、ジェンダー、コンプレックス、社会問題、コミュニケーション、就職とか、それぞれが自分のもっている問題意識をみんなで共有しながら熱心に話しています。そういう話を日常的にすることってなかなかないですよね。普段の生活の中で「時間ってさ」とか抽象的な話にはなかなかならない。だからこそ、それについて真剣に話している姿と、意見を聞いているだけで「これ凄い時間だぞ」って思っています。このまま、ずっとダラダラと話してほしい(笑)。

―最後に、これからシンクスクールどうなっていけばよいとお考えですか。

 

今村:シンクスクールは、アートやまちづくりを知りたい、マネジメントやまちづくりをやりたい、作品を制作したいっていう人たちに向けてのスクールですが、自分の人生をもっと面白くしたいと思ってる人にも良いのかなと思います。企画や制作を考えるプロセスは、自分の人生を考えるプロセスに似ています。多様な生き方をする人の話を聞いて、自分の人生について根源的に考えることができたら、さまざまなことに応答できると思います。自分の人生や、やりたいことに疑問を持っている人、なんかちょっとつまづいてる人とか、そういうことを考えている人に来てもらえればと思っています。私自身も毎年どんな方々に出会えるのか、そしてどんな企画や作品を見ることができるのか、とても楽しみにしています。

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今村育子

2006年より美術家として、光のグラデーションをモチーフにインスタレーション作品を制作。2011年より札幌駅前通まちづくり株式会社勤務。主に「シンクスクール」「PARC」「さっぽろユキテラス」「テラス計画」「まちの子育て研究所gurumi」の企画や、まちづくり会社主催事業のデザインを担当する。

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