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6月10日「抽象的なふるまいについてー行為が自立する時ー」笠見康大さん




こんにちは!


Think School事務局です。


今回は合同授業で北海道文教大学人間科学部こども発達学科准教授、

笠見康大さんを講師にお招きし抽象画のレクチャーとワークショップを行なっていただきました。


シンクスクールを運営していて感じるつまづきポイントが抽象画とコンセプチュアルアートだと感じています。


今回の笠見さんの講義を終えてみると、

中々どのように鑑賞してよいのかわからない抽象画をより身近かに感じることができました。


講義の様子を少しご紹介します。


まず最初のレクチャーでは、一つの事象を前にしても、関わり方(心情や考察、物理的距離、錯覚)により見え方が変わる。


客観性と主体性へのうつりかわりを体験し、

抽象画をどのような態度で鑑賞するのか一つの指針となる講義でした。


その後は笠見さんが行ったワークショプに関するご紹介があり、



笠見さんが幼少期に描いていた絵を元に抽象画への理解を深めます。

上写真の3つの絵を幼い頃に描いた順に並べ替えるクイズです。

正解は、B⇨C⇨A。


幼少期は柔軟に使える関節の発達によって、

大雑把だった線がより細やかになることで描いた順番を割り当てることができます。

(肩で大きく描いていたものが肘から手首へと柔軟に使える関節が増えることで細かなドローイングが可能になります。)


続いて、一見同じように見えるカラフルな殴り書きのような4つの絵画からプロのアーティストが描いたものをあてるクイズです。サイ・トゥオンブリーの絵画を例に行われましたが、正解者は0。


「子供は何かを描こうとしているのではなく、目の前で起きる事象を楽しんで関わっており、サイ・トゥオンブリーも同じようにいかに理性を外して描くか」を実験しているとのこと。


幼い頃に何度も楽しいと感じた感覚は、

大人になってみると一回性のものだったのかもしれないと馳せる気持ちに共感しました。


講義の中でもヴァルター・ベンヤミンの【複製技術時代の芸術】から「アウラ」を引用されていました。

アウラ:芸術作品における「いま」「ここ」にのみ存在することを根拠とする権威のこと。


どんなことでも目の前の事象に対して新鮮な目線を思い出せてくれるのが抽象画なのかもしれないと感じました。



後半はワークショップになります。

まずは、子供の頃にかえって?画用紙へ「殴り書き」を楽しみました。




みなさん描いているうちに自然と同じ行為を反復してしまったり、理性が働いてしまうことを体験し、サイ・トゥオンブリーの実践少し体感しました。


受講生の皆さんも簡単に巨匠風の絵が描けてしまったわけですが、

サイ・トゥオンブリーの殴り書きのような作品と何が違うのか。


例題に出されたのはサイ・トゥオンブリーの巨大な作品で、

大きく赤い絵の具で小文字のエルのようなものが反復して描かれた作品です。


よく見てみるとダイナミックに描かれた線の上に余白を描くために修正された跡があります。

ここにプロのアーティストとして、美的感覚を働かせて作品に昇華している思考の軌跡が見えます。

その修正の点にはアーティストとしての責任が重くのしかかって見えてきます。


〜5分間の休憩〜


続いては抽象画って結局は何なのか?

簡単に言うと目に見えないものを描く。と言うことですが、抽象画の巨匠たちは色々な言葉を残しています。


心に響く名言集のようにご紹介いただいたものから一つだけ私がなるほどっとなったものを紹介します。


パウル・クレー 「芸術は見えるものを再現するのではなく、見えるようにするのだ」

(かっこいいですね〜、こんなこと言ってみたい次第でございます。)


では、抽象画についてたくさん考えたあとで、

いよいよ抽象画を描いてみるワークショップに突入します。


先ほど殴り書きをした画用紙に描いたの線の上に、

水をつけた筆を走らせると水性のインクが滲み変化していきなんだか「抽象画」っぽいものになっていく体験をしました。


小学校の頃の図工で綺麗な水に絵の具がついた筆を優しく落とした時に、

色のついた波紋が広がるのをずっと観察していた記憶が蘇りました(笑)


続いて、筆やローラーなど様々な手法で描く体験をします。





続いて描いた抽象画を切り貼りして新しい画面を探ります。




続いて4人1グループになり、鑑賞のワークショップを行います。

グループ内で作品を決めて、1分間作品について話してもらいます。





互いに抽象画を描くことで獲得した経験を言語化することで、

社会的な自分の立ち位置と急に接続したり表現することの楽しさと、巨匠と呼ばれる方々の作品との違いを認識できたとのことです。


今回の講義は幼い頃に感じていた描くことの楽しさを思い起こしているよう楽しんでいる様子が印象的でした。


抽象画は制作者やごく一部の人にしかわからない世界と感じていましたが、とても身近で普遍性に富んだものだと認識できました。幼い頃の経験から伴う感情は再現可能で、ちょっとした真似事でも簡単に獲得することができるのかもしれません。


そんな子供の頃のように頭を柔らかくするエクササイズとして、休みの日に抽象画を描くことも良いな〜っと思いました。

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