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10月16日 藤川悠さん「地方の美術館だから、できること。その工夫。」


本日のシンクスクール企画コースは複数の美術館で勤務経験をお持ちの藤川悠さん(茅ヶ崎市美術館学芸員)にお越しいただき、


それぞれの美術館で行われる教育普及活動について、


大きな美術館での活動と比較して、


現在ご勤務されている比較的小さな美術館での活動と工夫について、レクチャーしていただきました!

藤川さんがご勤務されてきた中で特に印象的だった言葉


「学芸員は作家以上のクリエイティビティを持っていて欲しい」


特に現代アートの作品では今までに見たことのない表現を試みようとしている作家の作品を


ある程度受け入れられることが求められているということでした。



レクチャー後半では、茅ヶ崎市美術館で開催されたインクルーシブデザインの手法を活用したフィールドワークの作品制作・発表についてご紹介いただきました。


まず、感覚特性を持った方々とアーティストの二人一組の4グループを作ります。一緒にフィールドワークを行い、そこからアーティストが気づいたこと、やってみたいと思ったことから作品を作ってもらうというプロジェクト。 この展覧会を開催するにあたり、茅ヶ崎市美術館でできる車椅子ユーザーの方、弱視の方、聴覚障害者の方などに向けたおもてなしや当事者の方々に直接聞いた困りごと、必要のないことや工夫が次々と実践されていきました。 感覚を研ぎ澄まし、多様な物事や他者とどこまで向き合えるかを問うた貴重な展覧会についてお話しくださいました。



お話しくださったプロジェクトをなぞらえたワークショップを展開!

聞く、見る、嗅ぐ、触るという行為を意識的に行う人、それを観察する人に分かれてアカプラに出ました。



戻ってくるとみんなで「こんな動きの特徴があったよ」や本人も気づいていない行動、そこから感じたことなどを付箋に書き出します。






その後突然に絵の具が登場!企画コースの受講生は「絵の具に触るの何年振りだろう...」という方も多く、戸惑いながらも、付箋に書き出したキーワードを色で表現していきます。





それぞれの作品を見比べて、並べて、重ねて、きりはりして、一つの作品に。



感覚を共有するとき、いつも使い慣れた言葉ではなく、色で表現してみるワークショップでした。


言葉以上に共有できることもあればもどかしくなかなか伝わらないことがあったり、感覚の中でも嗅ぐや聞くのような同じ環境にいれば共有しやすい感覚と、触る、見るなどの共有しにくい感覚もあることがわかりました。 できるだけ多くの人に開かれた企画を作っていくことの重要性と難しさ、具体的な方法や限られた予算・人の中でそれらを実践していくことについて、藤川さんのご経験談からたくさんの学びを得ることができました。



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