8/1 制作「写真論/課題の講評」(講師|露口啓二さん)
8/1の制作コースは、北海道を代表する写真家の露口啓二さんをお招きして、
写真史についての基礎的なレクチャーと、
事前に発表されていた課題|「今」をテーマにした写真を10枚以内で撮影する。
の講評を行いました。
前半のレクチャーでは、マネやジェフウォールなどを引用しながら、
両作品の比較、絵画と写真の関係、
また、いくつかの写真の潮流についても触れながら、
お話いただきました。
人とカメラの目線の違い、写真の捉え方、美を感じるポイントなど、
普段何気なく使っているカメラですが、こうしてみると、いろいろな捉え方、
見方ができておもしろいですね。
そして、後半からは受講生のみんなが提出してくれた写真の講評タイム。
講評とはいえ、
「作品の良し悪しをここで言うつもりはなく、
道具としての写真って何?ということを少しずつ明確にする作業と考えてほしい」
と露口さん。
受講生のみんなが提出してくれた写真は、本当に三者三様。
それぞれの視点やものの見方、考え方の違いが現れていて、大変おもしろいものでした。
ある人は、日常の機微を写真に撮っていたり、
普段絵を描いている人は、絵描き的な視点で写真を捉えていたり、
飲みものをコップに注いでいる様子を撮っていたり、
はたまた、自分が浴室で溺れている様子を撮っていたり、などなど。
露口さんからも、
「背景や、無意識にうつるものをどう捉えるか」
「いろいろな意味で、写真であることの意味を考えてみる」
「美的に美しい・おもしろいを乗り越えて、その先を考えねばならない」
など重要なキーワード、アドバイスが飛び交いました。
昔と違い、今は、簡単にスマートフォンで写真がとれる時代。
過去に写真家が捉えたテーマを今の時代に同じようにやろうとしても、意味がない。
変化した社会や日常の中で、今、何を表現するのか。
そんな、製作者としての核となる部分をあらためて、
突きつけられるようなとても有意義な時間となりました。
さて、次回は、絵画、写真と続き、映像作家 伊藤隆介さんによる映像論の授業です。
お楽しみに。